2007-01-16

Keeper of the Seventh Keys Part II - Helloween

Keeper of the Seven Keys, Pt. 2

1988年リリースの3rdアルバム(ミニアルバム除く)です。
ドイツはハンブルグ出身のバンドです。

このアルバムを聴かずしてメロディック・スピード・メタルを語る無かれという超名盤であり、ジャーマン・メタルという呼称の典型的スタイルを確立したエポック・メイキング的アルバムであり、私がHMの入り口の扉を勢いよく開けることになった決定的なアルバムです。というよりも、私がやられたのは実際はMTVで見た8. I Want Outなのですが。

Keeper of the Seventh Keys pt.Iの方はこの以前に当時の友人から借りて聞いていたのですが、その時はあまりピンと来ませんでした。確か曲の展開が唐突すぎていまいちついて行けないな、という感想ぐらいしか持ちませんでした。それがI Want Outにやられちゃったあとは、全部よく聞こえてちゃうんだから、趣味嗜好なんてわかんないもんですねほんと。

ただこの後HMを聞くようになってからでも、しばらくはやっぱりHM特有の(と当時は感じていた)曲展開の唐突さにしっくりこなかったのを覚えています。慣れてしまえば逆に当たり前のように思うのですが、急にギターソロから転調したり、曲のスピードが変わってついて行けなくなったりというのは、この他にも当時Iron MaidenやMetallicaを聞いた際にも感じていたことであり、個人的には今でも、これがHMが一般人にあまり受け入れられない原因の一つではないかと考えています。

さて、当時本バンドの熱狂的な盛り上がりを受け、同系統の音を持った有象無象のバンドが大漁に日本にてリリースされるという事態になりました。代表的な(一定レベルを超えていた)バンドとしてはBlind Guardian,Heavens Gate,Chroming Rose, STS 8 Missionなどなど…。やはりあまり熱狂的なジャンルができあがるとそれに対して冷めた人やアンチというのが出てくるもので、またあまりの乱立のためジャーマン・メタルを語る以前のレベルのバンド等も居たりして、しばらくジャーマン・メタルというのはHM内でも微妙な扱いを受けていた時期もありました。

本来Helloweenというのは、Judas PriestやIron Maiden,Acceptに代表されるような正統派HMに、ドイツの民謡的な明るくてわかりやすいメロディを風味に加えてスピードアップ!というのが最大の魅力であるわけです。だからただこのバンドの表面だけ真似してもその原点自体を理解していないと、ただの薄っぺらな物真似バンドになってしまうだけであって、当時のリスナーもその点は敏感に気づいて取捨選択していたと思います。そしておそらく日本人に受けて、更に一部では侮蔑の対象となった理由としては、上記の本バンドの特徴が日本的な歌謡曲のメロディに近いということも影響していると思われます。

ただそんな中でも、HMとしての本アルバムの完成度を認めない人はほとんどいないでしょう。カイ・ハンセンとマイケル・ヴァイカートのHMにおける天才メロディメーカーが双方いい意味で競い合って曲を作り、その曲を稀代のハイトーンボーカリストであるマイケル・キスクが歌い上げる曲の数々は曲の質としても演奏の質としても、この手のバンドとしては望むべくもない正に理想だと思います。

流行廃りは輪廻するということで、現在ジャーマン・メタル風の系統はメロディック・スピード・メタルとその名をかえ、Sonata ArcticaやDragonforceなんかにその血流は受け継がれています。しかしながら、当時のジャーマン・メタルの勢いと共に、メロディック・スピード・メタルの一つの完成形を示しているこのアルバムは、やはりHMの歴史上でも避けて通れない一枚ではないかと思います。

My Favorite Song : I Want Out

Similar Artists: Gamma Ray, Hammer Fall,Blind Guardian

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