2007-01-24

The End of Heartache - Killswitch Engage

The End of Heartache

2004年リリースの3rdアルバムです。
アメリカはマサチューセッツのメタルコアバンドです。
この辺が出身地であるバンドは昔のLAメタルにちなんで、MAメタルとか呼ばれているらしいですね。

Shadows Fall,UnearthといったいわゆるAftershock系列のバンドです。彼らの中では一番様式美といいますか、曲構成の方針がHMの影響下にあると言えます。しかしながらこの方法論が独特なため、意外と昔からのHMファンには、本バンドを受け入れないという要素があるようにも感じます。

このバンドの特徴を一言で説明すると、「動」と「静」、「闇」と「光」の2極性です。ブルータルなリフが荒れ狂う楽器隊の演奏は、暗く厚い闇雲に閉ざされた、生き物の息吹が感じられない風が吹きすさぶ荒れ果てた大地。遠くで雷光が轟くそんな中、ふと風が弱まり、薄っすらと雲の薄間から光が砂漠の中の一輪の花を照らしだすような、そんな印象を私は曲を聴いてて受けることが多々あります。それが非常に私のメタル魂を揺さぶってくれてたまりません。
また、本作よりVoが変わり、メタルコア系では初めて(メタル自体でも珍しいですが)黒人がフロントマンを務めることになりました。このVoの声が、静のメロディを歌う際にゴスペルのような深い声質での歌唱を見せるため、曲の説得力と迫力が倍増したように感じました。そのシリアスさは、曲調は違えどOperation:MindcrimeのころのQueensrycheを想起させます。

前述しましたが、彼らの曲は意外と理解するのに時間がかかると思います。これは単純にメロディや歌詞という問題ではなく、その曲構成に対するアプローチの仕方にあると考えます。曲の「動」の部分がモダンなヘヴィネスを中心に据えたものであるのに対し、「静」の部分の哀しさはある意味厳かですらあり、言い換えれば古めかしい印象をうけることもあるため、「静」と「動」という要素で単純な比較ができずにかけ離れてしまい、曲全体として散らかった印象を受けてしまうのです。

その感覚は、その昔スラッシュメタルを聴き始めのときに、その複雑な曲構成が理解できなかった感覚に近いです。個人的なんですが、本バンドへの興味の入り方は、Megadethを初めて聴いてからその後好きになっていく課程と非常に似ていて興味深かったです。

とにかく、曲の構成にあまりにもギャップがありすぎるとか曲がよく練られていないとかいう理由で、彼らの曲を敬遠するのは非常にもったいないと思います。最近彼らのように曲の雰囲気自体でシリアスな展開を作るバンドも少ないですし、もしかしたら、昔HMを聞き始めた頃のような手探りで感動を探していく感覚が、本バンドによってまた再び感じることができるかも知れません。

My Favorite Song : Rose of Sharyn

Similar Artists:Trivium,Queensryche,Megadeth

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