2007-04-06

Psychoschizophrenia - Lillian Axe

(…写真がありませんでした。何故に!?こんな名盤が)

1993年リリースの4thアルバムです。
アメリカのバンドです。デビュー当初はアラバマ、ルイジアナあたりが活動拠点だったようですね。

初めてこのアルバムを聴いた時の感想は、正に「なんだこりゃ!?」でした。
このアルバムを聴くまでの私のLillian Axeに対する評価は良質のアメリカン・ハード・ポップバンドであり、Enuff Z'nuffとかDanger Dangerとか、そういった類のカテゴリに存在するバンドであり、このアルバムも勿論それを期待して買ったわけです。

そして1曲目のCrucifiedを聴いた時、そのギターの音にちょっと嫌な予感が走りました。時代は当時オルタナティブ・ロックやグランジが流行りであり、そういうものに影響を受けたバンドが実際にはまったく自分たちの個性にあっていないにも関わらずヘビィでダークな曲調に方向転換し、結果駄作としか言えないアルバムを作成したりしていた時期だったからです。Lillian Axeお前もかと。

しかしながら1曲目は多少エッジの効いた曲調だったもののメロディのポップさは健在で、まぁいいじゃなーい、と思っていた矢先、次のDeepfreezeですよ。初めて聴いた時思いましたね。「こんなのシラフじゃ書けねーよ。絶対キメてつくったろ」と。それほど曲構成がアバンギャルドで、しかしながら印象に残るメロディで、ただただ凄ぇーと感じたのを今でも覚えています。

次の曲は比較的まともな今までのLillian Axeでしたが、それ以降はやはり雰囲気が暗いのか明るいのかわからない曲調とともに実に印象的なメロディを伴った独特の曲が流れ続けます。そう、このアルバムでは元々バンドにあった特異なポップさが、時代の潮流であるヘビィさと奇跡的に、そして変態的に融合しているのです。その様はサイケでもあり、プログレ風でもあり、英国風でもあり、中東風でもあり、しかしながらメロディの根底はアメリカン・ポップという実に形容しにくい音楽となりました。

まぁアルバム全部がこんな感じではなく、従来路線の曲もいくつか入っているのですが、アルバムの構成から言えばそれはどちらかというと休みの部類であり、本アルバムの本質は、そのアメリカン・アバンギャルド・ハードポップさにあります。この衝撃は10年以上の時を経ても変わりなく、またこういう類のアルバムはそれ以来私はあまり記憶にありません。グランジとの融合という面で語られることの多いこのアルバムですが、個人的にはグランジとは関係なく、このバンド単体での正常な進化だったのではないかとも思います。

しかしながらこれだけは言えます。本アルバムが気に入る人はおそらく変わり者です。クセのある曲調やメロディが好きな人は是非聞いてみてください。唯一無二のハード・ポップが聴けますよ。

似てるバンドとしては、一時期Def Leppardなんかもこんな感じの曲をやっていたように思います。あとはアメリカン・ハードポップとして文中にも出てきたEnuff Z'nuffでしょうか。Night Rangerあたりでもいけるかと。あとかなーり違いますがちょっと変なメロディという意味ではRageとか…まぁ全然違うな。一風変わった独創的なハード・ポップを求めている人どうぞ!

My Favorite Song : Deepfreeze

Similar Artists: Def Leppard,Enuff Z'nuff,Night Ranger

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