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2007-03-26

Pressure - Chroming Rose

(No Photo Image ... Sorry)

1992年の3rdアルバムです。
ドイツのバンドです。ただメンバー全員が生粋のドイツ人ではなく当時は東欧系のメンバーも入っていたようです。現在は…知りません。

今でも私の心に残る、非常に残念なアルバムです。
今まで聴いてきたアルバムの中で、その完成度に対して正当な評価が得られなかったアルバムを挙げるとすると、私の中では真っ先にこのアルバムが思い浮かんで来る、そんなアルバムです。

さて、本バンドを知っている人ならば、普通推薦するアルバムは1st『Louis XIV』、2nd『Garden Of Eden』を挙げることが絶対的に多いと思います。それには私も全く異論はなく、元々本バンドはHelloweenを筆頭とするメロディック・スピードメタルのカテゴリ内で語られるバンドであり、彼らのキャリアのピークも前述のアルバム2枚だったからです。

彼らの音楽とそのスタンスは独特で、確かにやってることは高品質スピードメタルなのですが、ギターの音がExodusのようなクランチ風味だったり、曲に(Hellowennでもたまにその風潮を感じることが出来る)コミカル調な面を更に強くした雰囲気があり、それがまたB級風味を醸しだし、本バンドの魅力の一つともなっておりました。

しかしながら、当の本人たちも多分気付いていたのでしょう。「今のままでは、これ以上バンドとしての発展は望めないだろう」と。
確かにジャーマン・メタルの中では十分にトップクラスの知名度でありながら、良くも悪くもジャーマン・メタルのB級臭さを一番強く感じさせるバンドではあり、このままでは「この位置止まり」というのは、聴いてる側からも伺い知ることが出来ました。

そこで彼らは一皮むけるために賭に出ます。HelloweenではなくAcceptからの正統進化を目指すかの如く、アルバムにミドルテンポの曲を1曲目から据え、スピード感を殺す代わりに重厚感と構成の質を高めたアルバムを作ってきたのです。そのメロディは高品質であり、実際彼らにこんな本格HMの曲を作成することができるのかというぐらい恰好良く、そして何よりアルバム名が示すように全ての曲がシリアスであり、緊張と気合いを感じさせてくれました。今までヨーデルやハッピーバースディをふざけたメタル曲にして世に放ってきたバンドとは思えません。また、アルバム内にスピード曲が全くないわけではなく、全てのアルバムを通しても最高級の出来である4.Skyline of the Worldなど、曲単体としてもアルバムの構成としても非常に優れた出来だったと思います。

しかしながら時代は彼らを見捨てることになります。まだ時代はメロディック・スピードメタルのニーズが高く、彼らのファンが欲していたのは退屈なミドル・テンポの正当派HMではなく、あくまで爽快感溢れる突っ走りスピードメタルだったのです。本バンドの従来からのファンにはアルバム全体を通して好意的な評価はされず、また本来こういった類の曲を好んで聴く人たちには、バンドのカテゴライズ面から、聴いてもらう機会すら得られませんでした。(まぁそれをバンドの責任にするのはお門違いであり、本来はプロモーションの問題なのでしょうが)

当時は少数ながら本アルバムを正当に評価するコメントも見た記憶がありますが、またまずかったのはこのアルバムのショックが尾を引いたのか、次の4th『New World』が焦点のぼやけた駄作だったことです。かくいう私も4thを聴いた時点でこのバンドの終焉を感じてしまったのですが、もし『Pressure』が正当に評価されるか、現在のような、例えばEdguyなんかが評価されている状況でリリースされていたとすれば、またその状況も変わっていたことでしょう。かく言う私も本アルバムの全体的な質の高さに気付いたのは、しばらく後だったように記憶しています。

あまりにも埋もれされるには惜しいアルバムなのですが…本当に彼らはついていませんでした。おそらく世の中にはこういう感じで消え去っていく才能は数多くあるのでしょう。それをリアルタイムで聴いて感じた私には、逆に本アルバムを今後忘れることはないと思います。

繰り返しになりますが、HMアルバムとしてはかなり上級の出来なんですよ。MegadethやらAnnihilatorが好きな人であれば必ず気に入ると思うし、Edguyなんかとも同系統であると言えるでしょう。もし機会があれば是非聞いてみてください。実に哀しいアルバムです。

My Favorite Song : Metamorphic Dreamer

Similar Artists:(このアルバム限定で) Accept,Annihilator,Edguy

2007-02-26

Countdown to Extinction - Megadeth

Countdown to Extinction

1992年リリースの5thアルバムです。
アメリカの自称インテレクチュアル・スラッシュ・メタルバンドです。
未だによく意味がわかりませんが、一応起伏に富んだ曲をテクニカルに演奏する『知的な』スラッシュメタルバンドとのことです。
まぁこんな肩書き既に年寄りしか知りませんがね。

Metallica,Megadeth,Slayer,Anthrax…いわゆるスラッシュメタル四天王。今さらながら思い返してみると、これほどきっちり特徴が分かれているバンドが同一カテゴリの内で語られているのも実に面白いですね。多分知らない曲を聴かされても、この4バンドのうちどれかの曲です、さてどれでしょう?という質問ならば、必ず正答できる自信があります。まぁあくまで彼らが全盛期だったころの話で、現在の新曲を聞かされて答えを求められてもちょっと解らないかもしれませんが。

さて、そんな中で本バンドの特徴は、簡単に言うと重くザクザクとした金属的なギターリフと、妖しくねちっこい声とメロディのボーカルです。本アルバム以前のMegadethというのはその中でもどちらかというとその鋭角なギターリフから印象づけられる、テクニカルで冷たい印象を与える演奏が注目されていました。それがこの前のアルバムである『Rust In Peace』あたりから演奏主体から楽曲主体にベクトルが変わり、本アルバムではミドルテンポを主体とし、それまでのスラッシュ的なリフや曲展開を破棄したようなシンプルでヘビィな曲を揃えました。その結果、本バンドのもう一つの特徴である、メロディがクローズアップされることになったのです。

デイブ・ムステインの妖しくしかし印象的で魅力的なそのメロディは、より普遍的なヘビィメタルの特色を色濃くした本アルバムにてようやく主役となりました。楽しい時とかに鼻歌で歌うようなメロディではないのですが、夜道を一人で背中を丸めて歩いているときにふと口ずさむ様なメロディとでもいうのでしょうか。とにかくメロディメイカーとしての素質は非常に異質でありスラッシュメタルに止まらないことが、このアルバムにて証明できたのではないかと思います。当時はメタリカの『Metallica』の影響だとか思いましたが、あのブラック・アルバムも素晴らしい完成度だとは思いましたが、メロディの魅力という点では個人的には本アルバムの方が上でした。

またマーティ・フリードマンの流暢でメロディアスなギタープレイも、その印象を色濃くしてくれます。彼のギタープレイというのはアメリカ的でもヨーロッパ的でもない(和風ってわけでもないですけどね)独特の風情があり、それが本バンドの妖しさにマッチしているのだと思います。ただ本アルバムというか、Megadethにおける主役はあくまでボーカルメロディであると私なんかは思いますが。

この次の6thアルバム『Youthanasia』は、Megadethらしからぬメロディにポップさと暖かさを感じる曲がちらほらありますが、まだまだデイブ・ムステインの妖しいボーカルは健在で、こちらもいいアルバムであり、お勧めです。

Megadethに似ているバンド…やっぱりMetallicaですか。四天王の中では似ている面も多いので。初期のころであればKreatorなんかも近いと思いますし、あと印象的なメロディや曲構成という意味で、ちょっと意外なIced Earthとかもどうぞ。

しかしマーティさんは日本で活躍しすぎだね。つーか馴染みすぎだね。

My Favorite Song : Architecture of aggression

Similar Artists:Metallica,Kreator,Iced Earth

2007-02-18

Blackwater Park - Opeth

Blackwater Park

2001年リリースの5thアルバムです。
スウェーデンはストックホルムが誇るプログレ・デス・メタルバンドです。

昔から曲の激しさというものが大きな特徴であるデス・メタルでは、その特徴を突き詰め演奏の技巧や複雑さを競うようになるのはある意味必然と言えますし、例えばCynicやら現在ではMeshuggahなんかがその代表的なバンドだと思います。そして彼らも技巧派という意味でプログレとカテゴライズされることがありますが、Opethというバンドを説明する際に使用されるプログレという単語の意味は、彼らとは全く違う意味でのプログレッシヴです。

何が彼らと一線を画するかといいますと、一般的にKing CrimsonやPink Floydに代表されるプログレの音楽を、その音楽性自体を本当にデスメタルの中に融合させていることです。デスメタルの過激さとプログレの構成美とメロディ、これが融合された楽曲は、曲によって多彩な色合いを見せ、どちらが好きでも文句なしにかっこよく聞こえます。まぁ全編デス・シャウトではなく、曲の動と静の動の部分を表現する際にデスボイスを使用しているのであって、静の部分はフォークや民謡を思わせるようなアコースティックが入ったりしてそのままプログレ的なアプローチなんですが。動の部分でのリフなんかでも、普通にKing Crimsonが使いそうなリフの上で演奏してたりして、その優れた構成力でただの影響に止まらず自分たちの楽曲として消化している印象をうけます。

特に本アルバムでは、楽曲が一際特異な感覚を持っています。個人的にはそれを一言で言い表すと『浮遊感』だと思ってます。霧に包まれ濁った沼地の僅かに上をふわふわと漂っているようなその感覚は、このバンドの楽曲でしか感じることのできない感覚です。ドゥームともまた違い、ゴシックともまた違う。やっぱりどう聴いてもプログレなんですよ。(またこれがウィスキーやらブランデーやらにマッチしちゃうんですよねぇ。あー)
また、このバンドギターソロがデスメタルでは滅多に聴かれない非常に正統派な音運びをするため、それがまた混沌とした幻想的・浮遊感たっぷりのリフの中に急に切れ込んできたりするので非常にそのメロディが印象に残ります。

特に個人的浮遊感の強いこのアルバムは、非常に私的名盤であり墓に一緒に埋めて欲しいぐらいなんですが、ライブでは最近このアルバムからの曲はなかなかやってくれないみたいですね。まぁ無理もありません。このバンドの曲は1曲10分オーバーなんて当たり前ですからね。このアルバムも1曲インストが2分弱の他は6分弱の1曲を除き全て8~12分…。これもまたプログレからの影響でしょうかね。

そういや、先日Loudparkというフェスにて本バンドはとうとう初来日を果たしました。いや、凄かったです。何が凄いってリズム隊が何気ない顔してさらっと超絶的なフレーズをやるんですよ。ドラムは平然とした顔してるし、ベースは演奏中歌舞伎役者よろしくずっとぐるんぐるん頭回してるし、なんであんなんであんな見事な演奏できるんでしょうね。感動しました。

同じようなタイプのバンドがいない本当に唯一無二のバンドであり、孤高の存在です。プログレ好きは、本バンドが一応デス・メタルであることを割り引いても、聴いてみて損はないと思います。逆にプログレが退屈であまり好きではないという方は、あまり楽しめないかも知れませんね。

似てるバンドとしては、プログレ系からはKing Crimsonと、あとはPain of Salvation、メタル系からは一応Meshuggahを。

My Favorite Song :Bleak

Similar Artists :King Crimson,Pain of Salvation,Meshuggah

2007-02-12

The Spectral Sorrows - Edge of Sanity

Spectral Sorrows

1993年リリースの3rdアルバムです。
スウェーデンはフィンスボルグという、ストックホルムから約200km離れた町にて結成されました。

メロディック・デス・メタルという音楽はいつどこから誰が始めた音楽であるのかというのは、CARCASSやらAT THE GATESやら諸説あり、本バンドの名もよくその議論の中で挙がります。実際のところデス・メタルという音楽は元々スラッシュメタルの過激な部分のみを抽出することによって成立した音楽であり、その存在意義はメロディに傾倒していったスラッシュメタルを拒絶しベクトルを異にするアンチテーゼのようなものであったのですが、そのデスメタルに対してまた先祖返りの如くメロディを導入するという発想自体は、実は特に難解ではなく、それに近いことをやっているバンドもいくつかありました。逆に、曲の構成や演奏的にデス・メタルにメロディを導入せざるを得ないバンドもあったのです。純粋にデスメタルだけで曲を構成するのも、しんどいと思うんですよ実際。

ではなぜメロディックデスがジャンルとして確立されたかというと、そのメロディの導入をボーカルではなくギターリフで行ったというところが肝要であり、それゆえメタルファンに受け入れられたという理由もあるのです。メロディ導入によりどうしても音的に弱くなってしまうボーカルをデスボイスのまま、ギターにメロディを担当させヘビィさを保つという発想が、実はコロンブス的発想というよりは、革命的手法だったのではないかと思います。

そんなギターリフでメロディを奏でる典型的メロディックデスのイメージを一番最初に形作り、そして世に広めたのはこのバンドのこのアルバムであると私は思います。デスメタルの過激なリズムセクションを伴い、まるでジャーマンメタルのようにギターリフが哀愁全開のメロディを奏でながら疾走する…いわゆる北欧メロデスの原型(というかこの時をして既に完成形とも言える)がここにあります。

本作において、Edge of Sanityの掲げたメロディックデスは一旦完成形が提示されました。その方程式を忠実に守りつつ、曲の構成美を突き詰めメロディの質を向上させた4作目の『Purgatory Afterglow』は、メロディックデスの完成形の一つと言っていい名盤です。しかしながら、ここで本作を紹介した理由は、やはりメロディックデスの創始的アルバムであると同時に、個人的にメロディックデスの可能性を感じた最初のアルバムであるからです。いや、実際このアルバム聞いたあとはしばらくメロデス系しか買いませんでしたもの。

実際にはIn FlamesやDark Tranquillity、Sentencedなどもこの時期には活動を開始しており、このアルバムがメロディックデスに大きく影響を与えたかという意味では、多少異なるかも知れません。しかしながら、本アルバムを聴いていると、非常に音楽的に多様な要素が入っていることに気付きます。疾走一辺倒ばかりではなく、この時期からクリーン・ヴォイスを使い分けたり、民謡的メロディを導入したり、曲展開に緩急をつけたり…。このバンドのメロディの根底はゴシックからの影響であり、それを示唆する曲も本アルバムにはしっかりリストされています。

現在、当時の北欧メロディックデスに影響されたアメリカのメタルコア系バンドがいくつも登場し、市場を賑わせています。しかし、彼らのやっている音楽は既に、この時点でEdge of Sanityが予言していた内容である…というのはあまりに端的で乱暴でしょうかね。とりあえず、当時は非常に荒涼とした氷原のような印象を本アルバムの音像には持っていたのですが、今聞くとそのメロディや曲構成には懐かしさと共に暖かさすら感じます。聞いたことのないメロデスファンの方はぜひ一聴を。

My Favorite Song : The Masque

Similar Artists : In Flames,Dark Tranquillity,Amorphis

2007-02-03

Operation:Mindcrime - Queensryche

Operation: Mindcrime

1988年リリースの3rdアルバムです。
アメリカはシアトルの出身です。

世の中にあるコンセプトアルバムと言われるもので代表的なものでは、The Beatles の「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」やThe Whoの「Tommy」などがありますが、本アルバムもそれらの中でHMという枠を超えて語られることもある、そんな超名盤です。アナログ盤から始まり、CD、VIDEO、DVDと幾度もなく再販されていることからもその凄さが伺えます。

しかし、コンセプトアルバムというものはただそのテーマだけで名盤になる訳ではなく、音楽としての完成度の高さがまずありきであり、それに寄与する触媒という程度のものでしかない、と私は認識しています。そして本アルバムは更にその触媒がリアリズム溢れる、現代社会の身近にあるかもしれない不安や恐怖であることから、そのシリアスなストーリーとそれを盛り上げる緊迫感溢れる楽曲による化学反応も大きく、アルバムの完成度を別の次元へ引き上げることに成功しました。

当時はHMなんてのはあくまでキワモノであり、日頃蔑まれ、嘲笑の対象であるはずでした。(ちょっと言い過ぎかな?)そんなこのジャンルから、音は明らかにHRではなくHMの範疇であるはずなのに、こんな知的で壮大で高尚なアルバムが生み出された…。手法はPink Floydの模倣と言われることもありますが、それがHMでも通用することを証明したと同時に、HMの進む一つの方向を完成させたという意味でもエポック・メイキング的な作品でもありました。当時本アルバムを体験して同じ思いを持ったHMファンは多かったと思います。そもそもIron Maidenなんかも曲によってはプログレ的な雰囲気、構成を持っていますし、HM自体にそういう土壌があったことは確かです。しかしそれを明確に作品で提示したのは、実はこのアルバムが最初だったのではないでしょうか。

当時ちょうどMetallicaの「…And Justice for All」がリリースされ、本バンドは彼らとカップリングでツアーを行っています。双方ともアルバムは本来その根底に似たコンセプトを持っているのですが、当時まだまだHMの中でも更に難解であったスラッシュメタルの中からあえて高尚なコンセプトを探るという動きはなく、むしろこのカップリングはMetallicaの話題性を生かしてQueensrycheがそのコンセプトと共にクローズアップされる一因になったように思います。

そんなわけで彼らはしばしばプログレ・メタルという枠の中で語られることもありますが、楽曲の基本にあるのはあくまでJudas PriestやIron Maidenといった正統派のHMなんですよね。ただそこにPink Floydで見られるような曲構成やSEによる説得力の付加と、YESやEL&P的メロディを伴うハイトーンのボーカルラインが乗るために独特の曲調を生み出し、これが高尚というかコンクリート的というかそんな感じに聞こえることから、プログレにカテゴライズされることが多いです。
その意味でいえば、よく比較対象にだされるDream Theaterとは同じバックホーンではあるのかも知れませんが、バンドの目標というか、向かうベクトルとしては違うバンドだと言えます。RushやPain of Salvationの方がひょっとすると近いかも知れません。あと、明らかに影響を受けたFates Warningなんてのもいますが、まぁこれは言わずもがなと言ったところでしょう。

このアルバムで、陳腐ですが私はHMという音楽に無限の可能性があることを確信し、そしてその後の人生の大きな一部分を占めることになりました。今でも、その信念は私のなかで、このアルバムと共に存在しています。特にライブにて本アルバムを完全再現したDVDは、もしHMという音楽に少しでも興味があれば一度は見ておくべきだと思います。鳥肌が立つ人もいるでしょう。現在再販されているものはCD,LIVE,DVDがセットになっていてかなりお得です。

蛇足ですが、これのIIが2006年にリリースされましたが、いろいろ考えさせられました。アルバム全体としても、曲単体としても決して悪くないんですよ。でも特に印象に残らないし、緊迫感も当時には及ばないし…。アルバムとして名盤たり得るために必要なのは、そのコンセプトではなく楽曲のクオリティを引き継ぐことなのは間違いないのですが、それ以上の何かも名盤の要因として必要なのかも知れません。

My Favorite Song : Eyes of a stranger

Similar Artists:Iron Maiden,Judas Priest,Dream Theater,Fates Warning,Blue Oyster Cult

2007-01-30

Iron Maiden - Iron Maiden

鋼鉄の処女

1980年リリースの1stアルバムです。
イギリスはロンドン出身。言わずと知れたThis is Heavy Metalなバンドです。
バンド名は中世ヨーロッパの拷問器具に由来します。棺桶の中がとげとげになってるようなやつ。

個人的に好きなアルバムは別にありますが、あえて(今更…にしても古すぎる)このアルバムを挙げるのは、本アルバムはデビュー作にして一番Iron Maidenというバンドの凄さを直接的かつ端的に表していると思うからです。

本アルバムは前述したように1980年のアルバムです。現時点で既に四半世紀以上が経過したアルバムです。なのに、このアルバムは、録音状態の程度は確かにあるものの、曲に全く古さを感じさせません。これはIron Maidenの楽曲が、その当時から既に普遍的なMaiden節というものを中心に据えて体現しているからであり、その姿勢が現在まで全く変わっていないからだと考えます。ではそのMaiden節とは何でしょう。

1.Prowlerのかっこよさ、テンションの高さは今でも色あせません。5.Transylvaniaは拳を握ってしまうし、今でもライブでは欠かされないバンドのアンセムである8.Iron Maidenも、既に四半世紀が経過した今でも十分に気分を高揚させるに足る名曲です。そしてこれらの曲は、やはり誰が聴いてもIron Maidenの曲なのです。

スピード、曲の「キメ」、リフ構成、ツインギター、おそらくそれぞれの単体で説明できるものではなく、それらが混じり合って唯一無二のスタイルになっていることがIron Maidenの曲であり、そしてそれがいわゆるHMの代名詞たるバンドとなっている所以でしょう。だからこそ、本バンドはHMを代表するバンドとしてこれだけ長く誰もが認める地位にいるわけですが。25年前の曲で普通に頭を振れるって凄くないですか?

まぁ何はともあれProwler。これがHMの存在を決定づけたといっても過言ではない曲だと個人的には思います。今更このバンドについて存在意義等を語ることもないのですが、まぁ避けては通れない道であり、偶然にも今まで避けていたとしたらそれは凄い損失だと思うので。

Iron Maidenをもし、もしも体験したことがない方がいれば、個人的には1stアルバムから順に聴いていってみることをお勧めします。時代の中でアレンジをいろいろ変化させながら、しかしながらそのMaiden節から外れることのない筋の通った楽曲群が、時代の移り変わりと共にIron Maidenの信念を感じさせてくれると思います。

音が似ているバンド…。Iron Maidenから影響を受けて派生しているバンドは数多くありますが、結局みんなIron Maidenにはなっていなく、それがまたこのバンドの偉大さを示していると思います。まぁThis is Heavy Metalという意味で、Judas Priestでも。

My Favorite Song : Prowler

Similar Artists: Judas Priest

2007-01-21

The Jester Race - In Flames

ザ・ジェスター・レース

1996年リリースの2ndアルバムです。
スウェーデンはイエテボリのバンドです。
ブルータルなリフとブラスト・ビート、デスボーカルに叙情的なメロディの、むしろ主メロを担当するギターが切れ込んでいくというメロディック・デスの一つの型を確立した存在であり、また、近年のメタルコア系バンドに大きく影響を与えているバンドです。現在も現役ばりばりで活躍していますね。

ところで、私は実のところここ最近の彼らのアルバム数作に魅力を感じていません。現時点での最新作である8thアルバム『Come Clarity』は、一般的な評判は概ね良好であり、久々の傑作との評価を得ているようですが、そのアルバムでも、私がまだきちんと曲を理解していないのかと思って数回聞き返しましたが、やはりそれでも昔のような魅力を感じませんでした。

勿論決して聴くに堪えないというわけではなく、その意図も存在意義も含め、曲に関しても非常に高品質の出来だとは思います。がしかし、それでも個人的に『Come Clarity』を今後繰り返し聴くことはないと思うし、彼らに私が求めているのはこれでははないという気持ちがあり、どうしても受け入れがたくなってしまっているのです。

私が今のIn Flamesに足りないと思える要素、それは「美しさ」です。牧歌的ですらある叙情的メロディの(一歩間違えればクサい)ギターリフ。当時のこのバンドの場合、そのリフ自体が曲の主メロになるのですが、このギターの奏でるメロディを中心とし、他のパートが混然となって哀しく、激しく、そして一番重要な「美しく」曲を作り上げるというのが当時のメロデスの特徴であり、その中でもその特徴が一際際だっていたバンドであるだけに、現在の曲からこの美しく哀しいという要素が薄れているのが非常に残念であり、別の意味で哀しくなってしまうのです。

『The Jester Race』ではその泣きの要素が全体を通して溢れんばかりに充満しています。4.Moonshieldのような彼らにしか書けない独特のワルツ・メタル、5.December Flowerのような、デス声で無ければ様式美と言っても全く遜色ない曲構成、1.Dead Eternityのイントロからのハイ・テンションぶりには初めて聴いたときは鳥肌が立ちました。それでいて全ての曲に共通する哀愁に溢れたメロディは、正に「血の涙」と形容するにふさわしい雰囲気をアルバムから醸し出しています。

本アルバムに続く3rd『Whoracle』から5th『Clayman』までは、曲にその血流が脈々と受け継がれていました。しかしながら、アメリカ市場を意識しスタイルをあえて変えたと思われる6th以降は、個人的には私が彼らには求めていないスタイルでした。それが悪いとか駄目だと言うつもりはありませんが、ただ少なくとも言えるのは、私の好きなバンドが私の好みとは違う方向を向いてしまったということです。

もうあのころの数々の曲に感じた冷たい高揚感を、激しいリフの中で浮遊する心の琴線に触れるメロディを彼らから再び聴くことはないのだろうか…。本アルバムを聴くたび、完成度を実感するたびにそう思い、でも新しいアルバムがでるたびに、また期待してしまうのです。

似ているアーチストですが、現在の曲調であればメタルコア勢やSoilworkなのですが、本アルバムで比較すると、AmorphisやEdge of Sanity,Dimension Zeroの作品群が近いアルバムと言えるでしょう。

My Favorite Song : Moonshield

Similar Artists: Amorphis,Edge of Sanity,Dimension Zero

2007-01-16

Keeper of the Seventh Keys Part II - Helloween

Keeper of the Seven Keys, Pt. 2

1988年リリースの3rdアルバム(ミニアルバム除く)です。
ドイツはハンブルグ出身のバンドです。

このアルバムを聴かずしてメロディック・スピード・メタルを語る無かれという超名盤であり、ジャーマン・メタルという呼称の典型的スタイルを確立したエポック・メイキング的アルバムであり、私がHMの入り口の扉を勢いよく開けることになった決定的なアルバムです。というよりも、私がやられたのは実際はMTVで見た8. I Want Outなのですが。

Keeper of the Seventh Keys pt.Iの方はこの以前に当時の友人から借りて聞いていたのですが、その時はあまりピンと来ませんでした。確か曲の展開が唐突すぎていまいちついて行けないな、という感想ぐらいしか持ちませんでした。それがI Want Outにやられちゃったあとは、全部よく聞こえてちゃうんだから、趣味嗜好なんてわかんないもんですねほんと。

ただこの後HMを聞くようになってからでも、しばらくはやっぱりHM特有の(と当時は感じていた)曲展開の唐突さにしっくりこなかったのを覚えています。慣れてしまえば逆に当たり前のように思うのですが、急にギターソロから転調したり、曲のスピードが変わってついて行けなくなったりというのは、この他にも当時Iron MaidenやMetallicaを聞いた際にも感じていたことであり、個人的には今でも、これがHMが一般人にあまり受け入れられない原因の一つではないかと考えています。

さて、当時本バンドの熱狂的な盛り上がりを受け、同系統の音を持った有象無象のバンドが大漁に日本にてリリースされるという事態になりました。代表的な(一定レベルを超えていた)バンドとしてはBlind Guardian,Heavens Gate,Chroming Rose, STS 8 Missionなどなど…。やはりあまり熱狂的なジャンルができあがるとそれに対して冷めた人やアンチというのが出てくるもので、またあまりの乱立のためジャーマン・メタルを語る以前のレベルのバンド等も居たりして、しばらくジャーマン・メタルというのはHM内でも微妙な扱いを受けていた時期もありました。

本来Helloweenというのは、Judas PriestやIron Maiden,Acceptに代表されるような正統派HMに、ドイツの民謡的な明るくてわかりやすいメロディを風味に加えてスピードアップ!というのが最大の魅力であるわけです。だからただこのバンドの表面だけ真似してもその原点自体を理解していないと、ただの薄っぺらな物真似バンドになってしまうだけであって、当時のリスナーもその点は敏感に気づいて取捨選択していたと思います。そしておそらく日本人に受けて、更に一部では侮蔑の対象となった理由としては、上記の本バンドの特徴が日本的な歌謡曲のメロディに近いということも影響していると思われます。

ただそんな中でも、HMとしての本アルバムの完成度を認めない人はほとんどいないでしょう。カイ・ハンセンとマイケル・ヴァイカートのHMにおける天才メロディメーカーが双方いい意味で競い合って曲を作り、その曲を稀代のハイトーンボーカリストであるマイケル・キスクが歌い上げる曲の数々は曲の質としても演奏の質としても、この手のバンドとしては望むべくもない正に理想だと思います。

流行廃りは輪廻するということで、現在ジャーマン・メタル風の系統はメロディック・スピード・メタルとその名をかえ、Sonata ArcticaやDragonforceなんかにその血流は受け継がれています。しかしながら、当時のジャーマン・メタルの勢いと共に、メロディック・スピード・メタルの一つの完成形を示しているこのアルバムは、やはりHMの歴史上でも避けて通れない一枚ではないかと思います。

My Favorite Song : I Want Out

Similar Artists: Gamma Ray, Hammer Fall,Blind Guardian

2007-01-12

Inhuman Rampage - Dragonforce

Inhuman Rampage

2005年リリースの3rdアルバム。
イギリスはロンドン出身のメロスピバンドです。
イギリスとはいえメンバーが南アフリカ、香港などかなり多国籍ですけど。

以前プライベートでトラブルが重なり凄く凹んでいた時期がありまして、
そんな時友人に「何か元気になるおまじないみないのない?」と
聞いてみたところ、帰ってきた答えがこのアルバムでした。
元気?もちろん出ましたとも!頭振りまくりですよ悪いけど。

大抵のメロスピバンドは自分たちには疾走チューンだけじゃなく、
実はいろんな引出しが有るんだよみたいに多少はアルバムの中で
緩急織り交ぜた曲を入れたりするのですが(それが悪い訳じゃないです)、
このバンドは潔いほど徹頭徹尾スピードチューンばっかり。
入っている全9曲の中で、バラードの1曲以外は全部疾走ですからね。
ギターなんか何弾いてるかわかんないぐらいにまさに激速。
(まぁ個人的には、あのピロピロギターソロはなくてもいいと思いますが)

スピードもそうなんですが、彼らの最大の特徴としては、
この系のバンドでは珍しく、メジャーコードのアッパー系メロディで
突っ走る曲が多いこと。ある意味能天気な曲になったりする。
これと、ドラムのまるでデスメタルのようなブラストビートが絡みあい、
非常に高揚感のある楽曲に仕上がる要因となっています。
また彼らの曲はどこかで聞いたようなメロディが多く、
非常に耳に馴染みやすいため、一緒に歌いやすいのも特徴です。
その辺はまさにメロスピ界のチェッカーズですね!(喩え古っ)

1stあたりではボーカルの力量が若干心配でしたが、
アルバムを重ねるごとにどんどん歌唱力が向上していき、
またリズムセクションも元ブラックメタルバンドの凄腕ドラマーが
加入したおかげで、そんじょそこらの技巧派バンドじゃ叶わないような
名手揃いになりました。演奏については何の心配もいりません。

とにかく頭ふってストレス発散したい方や最近元気が無くて鬱気味の方、
昔はHelloweenやHeavens Gateでばりばりだったけど、最近はなぁって方、
是非おためし下さい。少々過剰摂取気味になるかも知れませんが。
似ているバンドでいえば、やっぱりSonata Arcticaが代表でしょうか。
メロスピの系統でいえば、初期Elegyの疾走曲も近い感じだと思います。

My Favorite Song : Body Breakdown

Similar Artists : Sonata Arctica,Elegy,Helloween

2007-01-10

Crimson - Sentenced

クリムゾン

2000年リリースの6thアルバム。
フィンランドはオウルー出身のメロデス~ゴシックメタルバンドです。
2005年非常に惜しまれつつ解散しました。日本で見たかったです。

個人的にいつも悩むのは、このバンドを説明する際に
本当にゴシックメタルバンドというカテゴリーに分類するかということ。
4th以降のこのバンドの楽曲は確かにゴシックと称されるものですが、
普通のゴシックバンドとは明らかに違う異質な雰囲気とメロディを
このバンドは持っていたように感じます。

あくまでそのHM正統派的な演奏がそう感じさせるのかも知れませんが、
個人的にこのバンドから感じていたものは、
絶望とも慟哭や怒りとも違う、むしろ諦念に近いものでした。
何か自ら求めてその悲しみの中にいるような、そんな雰囲気。
だからそんなに曲に悲壮感もなく、激情を表現したものもなく。
勿論哀愁たっぷりの中にHMとしての曲の激しさはありますので、
(むしろそれがSentencedの最大の特徴だとも言えますが)
普通にドラマチックなHMが好きな方も抵抗無く聴けると思います。

さて、本アルバムはしかしその中でも、
重く鬱蒼とした雰囲気が支配するアルバムです。
永遠に続くかと思われる暗い苦しみと悲しみの中で、
しかしそこを自ら抜け出すことなく佇んでいるかのような。

だからこのアルバムから感じる雰囲気はある種ハードボイルドであり、
個人的にはBullet for My Valentineなんかに通じるものがあります。
勿論全てが似ているとは思いませんが。このアルバム限定で。
あとDarkseedなんかにも雰囲気は近いです。

6.Killing Me Killing YouのPVは完成度が高く、
このバンドの世界観を忠実に視覚化しておりバンド名を広めましたが、
本アルバムの個人的ツボはやはり1.Bleed in My Armsのイントロ。
いつ聴いてもあの出だしは背筋がゾクゾクきます。
他にも2.Home in Despair、3.Fragileと、捨て曲なしのEndless Sorrow.
このバンドのアルバムは、3rd以降本当に外れがなかったなぁ。
惜しいバンドを亡くしたものです。

一人で寂しい冬の夜長なんかに、
部屋の隅で膝を抱えて聴いてみるのも一興ですよ。

My Favorite Song : Bleed in My Arms

Similar Artists : Paradise Lost,Bullet for My Valentine,Darkseed

2007-01-09

Restless & Wild - Accept

レストレス・アンド・ワイルド

1982年リリースの4thアルバムです。
ドイツのヘビーメタルの代名詞的バンドの一つ。

アナログ盤の針のこすれるノイズと共に、安っぽい演奏とHidee hi de hi da…のかけ声。
それを劈くように、突如ウド独特のダミ声によるシャウトが響いて、ギターのザクザク音とともに名曲Fast as a Sharkが始まるわけですよ。
あー懐かしい。よく聴いたなぁ。

でもこのアルバムを聴いたのは、リアルタイムではありませんでした。
ちょうどいわゆる『ジャーマン・メタル』の名のもとHelloweenを筆頭にBlind GuardianやらHeavens Gateやら、Chroming Rose等々が怒濤の勢いでリリースされていた時期でした。
1990年とかそのあたりですね。

私もこれらジャーマン勢にどっぷりつかっていまして、やはり怒濤の勢いで聴き漁ってましたが、その中で、彼らのお手本となっているのはこの曲だという記述をどこかで目にしました。
ちょうど本アルバムがリマスタか何かで再発されたこともあり、んじゃ聴いてみようかと購入したんだと記憶しています。

その当時の私をして、この曲にはしびれました。
荒々しいスピード感溢れるギターリフにドコドコツーバス音。
こんな以前からこんなカッコいい曲をやっていたのかと…
いや、当時の私だからこそ、より一層ツボだったんだと思います。

でも基本的にAcceptというのはMetalheartに代表されるような、重さと男臭さが滲み出るミドルテンポ中心HMバンドであって、疾走系はどちらかというとこのバンドでは少ない方なのですけどね。
だからAcceptに興味がある方は、まずはミドルテンポのHM曲に魅力を感じられるかどうかがポイントで、OKであればかなり気に入ると思います。
デスメタルで言えば、Amon Amarthなど好きな人とか。

しかしながら、何はともあれこのアルバムはFast As a Sharkなのですよ。
本曲はAcceptのみならず、HMを代表する曲と言っても過言ではなく、聴いたことのない人は是非一聴をおすすめします。

My Favorite Song : Fast as a Shark

Similar Artists : Judas Priest,Manowar,Helloween,Amon Amarth