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2007-04-06

Psychoschizophrenia - Lillian Axe

(…写真がありませんでした。何故に!?こんな名盤が)

1993年リリースの4thアルバムです。
アメリカのバンドです。デビュー当初はアラバマ、ルイジアナあたりが活動拠点だったようですね。

初めてこのアルバムを聴いた時の感想は、正に「なんだこりゃ!?」でした。
このアルバムを聴くまでの私のLillian Axeに対する評価は良質のアメリカン・ハード・ポップバンドであり、Enuff Z'nuffとかDanger Dangerとか、そういった類のカテゴリに存在するバンドであり、このアルバムも勿論それを期待して買ったわけです。

そして1曲目のCrucifiedを聴いた時、そのギターの音にちょっと嫌な予感が走りました。時代は当時オルタナティブ・ロックやグランジが流行りであり、そういうものに影響を受けたバンドが実際にはまったく自分たちの個性にあっていないにも関わらずヘビィでダークな曲調に方向転換し、結果駄作としか言えないアルバムを作成したりしていた時期だったからです。Lillian Axeお前もかと。

しかしながら1曲目は多少エッジの効いた曲調だったもののメロディのポップさは健在で、まぁいいじゃなーい、と思っていた矢先、次のDeepfreezeですよ。初めて聴いた時思いましたね。「こんなのシラフじゃ書けねーよ。絶対キメてつくったろ」と。それほど曲構成がアバンギャルドで、しかしながら印象に残るメロディで、ただただ凄ぇーと感じたのを今でも覚えています。

次の曲は比較的まともな今までのLillian Axeでしたが、それ以降はやはり雰囲気が暗いのか明るいのかわからない曲調とともに実に印象的なメロディを伴った独特の曲が流れ続けます。そう、このアルバムでは元々バンドにあった特異なポップさが、時代の潮流であるヘビィさと奇跡的に、そして変態的に融合しているのです。その様はサイケでもあり、プログレ風でもあり、英国風でもあり、中東風でもあり、しかしながらメロディの根底はアメリカン・ポップという実に形容しにくい音楽となりました。

まぁアルバム全部がこんな感じではなく、従来路線の曲もいくつか入っているのですが、アルバムの構成から言えばそれはどちらかというと休みの部類であり、本アルバムの本質は、そのアメリカン・アバンギャルド・ハードポップさにあります。この衝撃は10年以上の時を経ても変わりなく、またこういう類のアルバムはそれ以来私はあまり記憶にありません。グランジとの融合という面で語られることの多いこのアルバムですが、個人的にはグランジとは関係なく、このバンド単体での正常な進化だったのではないかとも思います。

しかしながらこれだけは言えます。本アルバムが気に入る人はおそらく変わり者です。クセのある曲調やメロディが好きな人は是非聞いてみてください。唯一無二のハード・ポップが聴けますよ。

似てるバンドとしては、一時期Def Leppardなんかもこんな感じの曲をやっていたように思います。あとはアメリカン・ハードポップとして文中にも出てきたEnuff Z'nuffでしょうか。Night Rangerあたりでもいけるかと。あとかなーり違いますがちょっと変なメロディという意味ではRageとか…まぁ全然違うな。一風変わった独創的なハード・ポップを求めている人どうぞ!

My Favorite Song : Deepfreeze

Similar Artists: Def Leppard,Enuff Z'nuff,Night Ranger

2007-03-17

Saosin - Saosin

Saosin
Saosin


2006年リリースの1stアルバムです。
アメリカはオレンジカウンティのバンド、ということはAtreyuなんかと同郷ですね。

スクリームを排除したスクリーモというのは果たしてジャンルとして成り立つのかという疑問がありますが、本バンドは一応スクリーモの最終形態という呼称で紹介されることが多いです。ただし曲の中に目立った叫び声は入れられていなく、普通のエモバンドとして紹介されても問題ないと思いますが、確かにこのアルバムを聴く限りでは、スクリーモ側に置いておきたいのも納得出来ます。

曲のメロディや構成はThursdayなんかを想起させる、ある意味フォーマットの知られた憂いのある湿っぽさなんですが、このバンドの特徴はその楽曲に普通にハイトーンボーカルを用いて歌い上げていることにあると思います。正に「歌い上げるスクリーモ」。これによりドラマティックの度合いをスクリームなしで維持し、バンドの雰囲気としてスクリーモ風味を残すことに成功しているんだと思います。

この系統のバンドでは重要なメロディの質もいいし、演奏も実にタイトで、パンクっぽい軽さはあまり感じません。むしろLostprophetsとかHoobastankあたりに近いのではないでしょうか。もし彼らがThursdayをプレイしたらこんな感じの曲ができるんじゃないかなあ。

このバンドを聴いていて思ったのは、そもそもスクリーモというジャンルはバンドの表現力の稚拙さから出来たジャンルではないのか、ということ。もちろん感情の移入や曲の構成からスクリームを楽曲に取り入れること自体は否定はしませんし、効果的に使用しているバンドがあることは認めます。ただ過去に出てきた著名なスクリーモ系バンドがどんどん曲中のスクリーム比率を少なくしてきている事実と、挙げ句の果てには本バンドのような形で表現の質の高さを提示されて、しかもこのバンドをスクリーモという位置づけで定義してしまった場合、結局この手のタイプの楽曲ではスクリームする意味は全くないという結論には至らないんでしょうか?

上記の疑問に答えてくれるバンドは、個人的にはAlexisonfireとかSilversteinだと思っているのですが、今後本アルバムを超えるような質のアルバムを他のスクリーモバンドが提示できなかった場合、スクリーモというジャンルは過去の遺物として葬り去られていくでしょう。その意味である意味最後通牒のような意味合いを持つアルバムでもあります。

北欧やアイスランドあたりの北の方のバンドが持っている冷たい寂寥感も有した希有なバンドだと思います。ただ雰囲気としては冬というよりは寒い夏。そんなわけで是非聴いて欲しいアルバムですね。ちなみにジャケットのカブトムシはあまり気にしない方がいいと思います。

My Favorite Song : Follow the Feel

Similar Artists: Thursday,Silverstein,Lostprophets

2007-03-11

When Everything Falls - Haste the Day

When Everything Falls

2005年リリースの2ndアルバムです。
アメリカはインディアナポリスのメタルコアバンドです。

残念ながらこのバンド、2007年3月現在未だ日本デビューは果たしておりません。個人的には本バンドはメタルコア勢の中でもトップクラスの実力と楽曲をもっていると思いますので、何故日本デビューがこんなに遅れているのか不思議で仕方ありません。

スクリームパートの突進力、メロディアスパートの煽情力もそれぞれ一級品ですが、本バンドの魅力はそのメタル的なギターの音と使い方です。多分ギターはジャンルとしてはメタルが好きなんでしょうね。リフの使い方や、曲の所々に出てくるソロの切り込み方が、正にメタルに影響されました、といった風情で出てきます。いわゆるギター単独でその曲の主メロになりえるIn flames的なアプローチもありますし、Iron Maiden的なキメもあり、アメリカのバンドにしては曲の構成面での凝り方を特徴にした珍しいバンドだな、という感じを受けました。また、通常のメロディアスなパートでも、バックの演奏はメタルのような(というかメタルそのものですね)音で、あまりクサメロ臭が強くないため、メタルコアの中でくくらずに、いろんな層にアピールできる楽曲が多いと思います。

個人的には本バンドの弱点は、スクリーム時のボーカルの軽さかなと思います。軽めの音質で高いところをぎゃんぎゃん喚いているスタイルは劣化版Cradle of Filthといった感じで、ちょっと2流以下のブラックメタル的な印象をうけてしまいます。ここがもっと印象的に使えるようになると、このバンドはもっとかっこよくなると思うんですけど、それは次作以降に期待ということで。

まぁ結局この手のバンドってのは、どれだけ良質のメロディをサビに持ってこれるかというのがポイントの一つ(というか評価の8割方を占める)な訳ですが、このバンドはボーカルだけではなく、ギターリフも非常に練られた良質のメロディをもっており、これが他のメタルコア系のバンドと一線を画しているという感じです。1stも良いアルバムでしたが、本作では曲の構成がよりコンパクトになり、スクリームとメロディを歌い上げる部分のメリハリもついて、非常に良質のアルバムとなりました。

AtreyuとかIt Dies Todayとか、Triviumとか好きな人は聞いてみて絶対に損はないでしょうし、UnderoathやHopesfallも全然いけると思います。むしろAtreyuやHopesfall、Silversteinを洗練させたように感じる時もあるぐらい、完成されているバンドだと思います。

あと、このアルバムの最後の曲である12.Long Way Down。これGoo Goo Dollsというバンドのカバーなんですが、オリジナルより演奏がヘビィであり、テンポアップもしてノリがよくなっており、本バンドのオリジナルとしても遜色ないようなかっこいい出来になっています。(まぁ元々の曲もかっこいいんですけど)個人的に、カバーをうまく自分色にアレンジできるバンドは、その後の曲も変わらず大好きになる率が非常に高いので、本バンドには非常に期待しております。新作が2007年3月予定とのことで、またよければ良いなぁ。

My Favorite Song : When Everything falls

Similar Artists:Atreyu,It dies Today,Trivium,Underoath,Hopesfall

2007-02-26

Countdown to Extinction - Megadeth

Countdown to Extinction

1992年リリースの5thアルバムです。
アメリカの自称インテレクチュアル・スラッシュ・メタルバンドです。
未だによく意味がわかりませんが、一応起伏に富んだ曲をテクニカルに演奏する『知的な』スラッシュメタルバンドとのことです。
まぁこんな肩書き既に年寄りしか知りませんがね。

Metallica,Megadeth,Slayer,Anthrax…いわゆるスラッシュメタル四天王。今さらながら思い返してみると、これほどきっちり特徴が分かれているバンドが同一カテゴリの内で語られているのも実に面白いですね。多分知らない曲を聴かされても、この4バンドのうちどれかの曲です、さてどれでしょう?という質問ならば、必ず正答できる自信があります。まぁあくまで彼らが全盛期だったころの話で、現在の新曲を聞かされて答えを求められてもちょっと解らないかもしれませんが。

さて、そんな中で本バンドの特徴は、簡単に言うと重くザクザクとした金属的なギターリフと、妖しくねちっこい声とメロディのボーカルです。本アルバム以前のMegadethというのはその中でもどちらかというとその鋭角なギターリフから印象づけられる、テクニカルで冷たい印象を与える演奏が注目されていました。それがこの前のアルバムである『Rust In Peace』あたりから演奏主体から楽曲主体にベクトルが変わり、本アルバムではミドルテンポを主体とし、それまでのスラッシュ的なリフや曲展開を破棄したようなシンプルでヘビィな曲を揃えました。その結果、本バンドのもう一つの特徴である、メロディがクローズアップされることになったのです。

デイブ・ムステインの妖しくしかし印象的で魅力的なそのメロディは、より普遍的なヘビィメタルの特色を色濃くした本アルバムにてようやく主役となりました。楽しい時とかに鼻歌で歌うようなメロディではないのですが、夜道を一人で背中を丸めて歩いているときにふと口ずさむ様なメロディとでもいうのでしょうか。とにかくメロディメイカーとしての素質は非常に異質でありスラッシュメタルに止まらないことが、このアルバムにて証明できたのではないかと思います。当時はメタリカの『Metallica』の影響だとか思いましたが、あのブラック・アルバムも素晴らしい完成度だとは思いましたが、メロディの魅力という点では個人的には本アルバムの方が上でした。

またマーティ・フリードマンの流暢でメロディアスなギタープレイも、その印象を色濃くしてくれます。彼のギタープレイというのはアメリカ的でもヨーロッパ的でもない(和風ってわけでもないですけどね)独特の風情があり、それが本バンドの妖しさにマッチしているのだと思います。ただ本アルバムというか、Megadethにおける主役はあくまでボーカルメロディであると私なんかは思いますが。

この次の6thアルバム『Youthanasia』は、Megadethらしからぬメロディにポップさと暖かさを感じる曲がちらほらありますが、まだまだデイブ・ムステインの妖しいボーカルは健在で、こちらもいいアルバムであり、お勧めです。

Megadethに似ているバンド…やっぱりMetallicaですか。四天王の中では似ている面も多いので。初期のころであればKreatorなんかも近いと思いますし、あと印象的なメロディや曲構成という意味で、ちょっと意外なIced Earthとかもどうぞ。

しかしマーティさんは日本で活躍しすぎだね。つーか馴染みすぎだね。

My Favorite Song : Architecture of aggression

Similar Artists:Metallica,Kreator,Iced Earth

2007-02-07

The Black Parade - My Chemical Romance

The Black Parade

2006年リリースの3rdアルバムです。
アメリカはニュージャージのパンク/EMOバンドです。

本作はコンセプトアルバムであり、ある人間の死にブラック・パレードが迎えにくるという内容の話になっています。そのためかどうかはわかりませんが、本作品の彼らはそれぞれの曲に説得力がついたように感じます。おそらく、本バンドの曲はボーカルとその主メロが中心となる構成であり、そのボーカルが紡ぎ出す歌詞が、コンセプトによりアルバム全体に繋がる意味を持つことで深さを増したということなのだと推測します。触媒が楽曲にうまく作用したということですね。

今までの作品に較べメロディが明確になり、今までちょこちょこあったメタル調の演奏も減ってある意味非常にポップに聞こえるようになりました。個人的には通常クセのあるタイプの曲をやる方が好みなんですが、このバンドの場合はいい意味でクセが抜けて曲の完成度が増したように思います。

元々はエモ/パンクというよりは、その辺のビジュアル系の一派と大差ない(失礼)バンドであると感じていただけに、この成長というか、普遍的ロックとすら言える作品を提示してきたのには正直驚きました。「死」というヘビィなテーマを、決しておちゃらけてはいないのですが、本バンド特有の軽いイメージで、まるで童謡であるかのような雰囲気に消化してしまうバンドのアイデンティティというか、懐の深さも感じました。バンドの使う主旋律は欧州的な雰囲気を醸し出していたりもするのですが、それをうまく相殺してこういった形に料理できるのは、アメリカの、特にニュージャージのバンドというのも一因でしょう。あとはボーカルのキャラの濃さですかね。

そういった感じで、人によってはQueen的な背景を曲に感じるみたいですが(特に5.Welcome To The Black Paladeとか)、ああいうクラシカルでオペラ的な雰囲気はあまり無いと個人的には思います。どちらかというと、Bon Joviとか(おぉ、ニュージャージー!)Blink-182といった、メロディに哀愁のあるパーティロック/パンク寄りでしょう。音が軽めなので、メタルコアやハードコア系とはちょっと違います。ご注意を。

あと、本アルバムは死にゆく人に対する弔いの曲ではなく、どちらかというとそれを見送る人たちに向けた曲のように思えます。逝ってしまった人は賑やかなブラック・パレードに連れられて、そんなに寂しくはないだろうし悲観することはない。笑って見送って、これからの自分たちの人生を精一杯生きていこうと…歌詞はそんな明るい内容ではないんですけどね。


My Favorite Song : Famous Last Words

Similar Artists:Fall Out Boy,Bon Jovi,Blink-182

2007-02-03

Operation:Mindcrime - Queensryche

Operation: Mindcrime

1988年リリースの3rdアルバムです。
アメリカはシアトルの出身です。

世の中にあるコンセプトアルバムと言われるもので代表的なものでは、The Beatles の「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」やThe Whoの「Tommy」などがありますが、本アルバムもそれらの中でHMという枠を超えて語られることもある、そんな超名盤です。アナログ盤から始まり、CD、VIDEO、DVDと幾度もなく再販されていることからもその凄さが伺えます。

しかし、コンセプトアルバムというものはただそのテーマだけで名盤になる訳ではなく、音楽としての完成度の高さがまずありきであり、それに寄与する触媒という程度のものでしかない、と私は認識しています。そして本アルバムは更にその触媒がリアリズム溢れる、現代社会の身近にあるかもしれない不安や恐怖であることから、そのシリアスなストーリーとそれを盛り上げる緊迫感溢れる楽曲による化学反応も大きく、アルバムの完成度を別の次元へ引き上げることに成功しました。

当時はHMなんてのはあくまでキワモノであり、日頃蔑まれ、嘲笑の対象であるはずでした。(ちょっと言い過ぎかな?)そんなこのジャンルから、音は明らかにHRではなくHMの範疇であるはずなのに、こんな知的で壮大で高尚なアルバムが生み出された…。手法はPink Floydの模倣と言われることもありますが、それがHMでも通用することを証明したと同時に、HMの進む一つの方向を完成させたという意味でもエポック・メイキング的な作品でもありました。当時本アルバムを体験して同じ思いを持ったHMファンは多かったと思います。そもそもIron Maidenなんかも曲によってはプログレ的な雰囲気、構成を持っていますし、HM自体にそういう土壌があったことは確かです。しかしそれを明確に作品で提示したのは、実はこのアルバムが最初だったのではないでしょうか。

当時ちょうどMetallicaの「…And Justice for All」がリリースされ、本バンドは彼らとカップリングでツアーを行っています。双方ともアルバムは本来その根底に似たコンセプトを持っているのですが、当時まだまだHMの中でも更に難解であったスラッシュメタルの中からあえて高尚なコンセプトを探るという動きはなく、むしろこのカップリングはMetallicaの話題性を生かしてQueensrycheがそのコンセプトと共にクローズアップされる一因になったように思います。

そんなわけで彼らはしばしばプログレ・メタルという枠の中で語られることもありますが、楽曲の基本にあるのはあくまでJudas PriestやIron Maidenといった正統派のHMなんですよね。ただそこにPink Floydで見られるような曲構成やSEによる説得力の付加と、YESやEL&P的メロディを伴うハイトーンのボーカルラインが乗るために独特の曲調を生み出し、これが高尚というかコンクリート的というかそんな感じに聞こえることから、プログレにカテゴライズされることが多いです。
その意味でいえば、よく比較対象にだされるDream Theaterとは同じバックホーンではあるのかも知れませんが、バンドの目標というか、向かうベクトルとしては違うバンドだと言えます。RushやPain of Salvationの方がひょっとすると近いかも知れません。あと、明らかに影響を受けたFates Warningなんてのもいますが、まぁこれは言わずもがなと言ったところでしょう。

このアルバムで、陳腐ですが私はHMという音楽に無限の可能性があることを確信し、そしてその後の人生の大きな一部分を占めることになりました。今でも、その信念は私のなかで、このアルバムと共に存在しています。特にライブにて本アルバムを完全再現したDVDは、もしHMという音楽に少しでも興味があれば一度は見ておくべきだと思います。鳥肌が立つ人もいるでしょう。現在再販されているものはCD,LIVE,DVDがセットになっていてかなりお得です。

蛇足ですが、これのIIが2006年にリリースされましたが、いろいろ考えさせられました。アルバム全体としても、曲単体としても決して悪くないんですよ。でも特に印象に残らないし、緊迫感も当時には及ばないし…。アルバムとして名盤たり得るために必要なのは、そのコンセプトではなく楽曲のクオリティを引き継ぐことなのは間違いないのですが、それ以上の何かも名盤の要因として必要なのかも知れません。

My Favorite Song : Eyes of a stranger

Similar Artists:Iron Maiden,Judas Priest,Dream Theater,Fates Warning,Blue Oyster Cult

2007-02-01

What It Is To Burn - Finch

ホワット・イット・イズ・トゥ・バーン

2002年リリースの1stアルバムです。
アメリカはサンディエゴの出身です。
The Usedなどと並んで、スクリーモの先駆者的存在と言われています。

とはいえ、This is Screamo かと言われると、実際ちょっと違うと思うんですよね。まぁ一応ジャンル的にはスクリーモになるのかも知れませんが、ここで聴ける曲の数々はそんなカテゴライズを超えた、さわやかさや奥行き、広がり、そして隠し味的な切なさを曲に感じられる作風になっています。メロディがちょっと懐かしめのアメリカン・ロックを彷彿とさせたりして、このバンド独特の雰囲気を作り出すことに成功していると思います。このアルバムの特徴を一言で表すと、曲のダイナミズムでしょうか。

実際、スクリーム自体をあまり曲の要素として全面に出していないのもその一因にあるでしょう。確かにアルバムとしては、スクリーモというジャンルでの代表作ではあるんでしょうけど、実はこれらの曲からパンク的な要素を個人的にはあまり連想しません。4.とかはまぁパンクっぽい部分もありますし、9.なんてのはグラインド・コアみたいだし、じゃあ他になんなんだと言われても、まぁやっぱり楽器の音とかはパンクなんですけどね。

このアルバムはそういうジャンルとしての薦め方よりも、もっと普通に洋楽の好盤として推すことができるのではないかと思います。感覚的というか、受ける印象としてはEllegardenとかにも通じるものがありますし、メロディもわかりやすいので洋楽をあまり聴かない人でも受け入れやすいのではないでしょうか。そう、このアルバムは、ある意味いわゆる洋楽の「王道」なんですよね。結局のところ。

残念ながら本バンドは2ndアルバムまでをリリース後無期限の活動停止を宣言し、現在メンバーはそれぞれ別のバンドで活躍しています。それぞれのバンドではこういった系統の曲はやっていないようで、実にもったいなく、残念であります。

似ているバンドは、Jimmy Eat World、Taking Back SundayやThriceなど。Museなんかも似ている側面があると思います。典型的スクリーモよりは、メロディのはっきりしたエモ系のバンドが好きな方が気に入ると思います。
ちなみに2ndアルバムはもっとDeftonesのようなヘビィロック、HMよりの曲調になっています。こちらもなかなかよろしいので、興味があれば是非。

My Favorite Song : New Beginning

Similar Artists: Jimmy Eat World、Taking Back Sunday、Thrice、Muse

2007-01-24

The End of Heartache - Killswitch Engage

The End of Heartache

2004年リリースの3rdアルバムです。
アメリカはマサチューセッツのメタルコアバンドです。
この辺が出身地であるバンドは昔のLAメタルにちなんで、MAメタルとか呼ばれているらしいですね。

Shadows Fall,UnearthといったいわゆるAftershock系列のバンドです。彼らの中では一番様式美といいますか、曲構成の方針がHMの影響下にあると言えます。しかしながらこの方法論が独特なため、意外と昔からのHMファンには、本バンドを受け入れないという要素があるようにも感じます。

このバンドの特徴を一言で説明すると、「動」と「静」、「闇」と「光」の2極性です。ブルータルなリフが荒れ狂う楽器隊の演奏は、暗く厚い闇雲に閉ざされた、生き物の息吹が感じられない風が吹きすさぶ荒れ果てた大地。遠くで雷光が轟くそんな中、ふと風が弱まり、薄っすらと雲の薄間から光が砂漠の中の一輪の花を照らしだすような、そんな印象を私は曲を聴いてて受けることが多々あります。それが非常に私のメタル魂を揺さぶってくれてたまりません。
また、本作よりVoが変わり、メタルコア系では初めて(メタル自体でも珍しいですが)黒人がフロントマンを務めることになりました。このVoの声が、静のメロディを歌う際にゴスペルのような深い声質での歌唱を見せるため、曲の説得力と迫力が倍増したように感じました。そのシリアスさは、曲調は違えどOperation:MindcrimeのころのQueensrycheを想起させます。

前述しましたが、彼らの曲は意外と理解するのに時間がかかると思います。これは単純にメロディや歌詞という問題ではなく、その曲構成に対するアプローチの仕方にあると考えます。曲の「動」の部分がモダンなヘヴィネスを中心に据えたものであるのに対し、「静」の部分の哀しさはある意味厳かですらあり、言い換えれば古めかしい印象をうけることもあるため、「静」と「動」という要素で単純な比較ができずにかけ離れてしまい、曲全体として散らかった印象を受けてしまうのです。

その感覚は、その昔スラッシュメタルを聴き始めのときに、その複雑な曲構成が理解できなかった感覚に近いです。個人的なんですが、本バンドへの興味の入り方は、Megadethを初めて聴いてからその後好きになっていく課程と非常に似ていて興味深かったです。

とにかく、曲の構成にあまりにもギャップがありすぎるとか曲がよく練られていないとかいう理由で、彼らの曲を敬遠するのは非常にもったいないと思います。最近彼らのように曲の雰囲気自体でシリアスな展開を作るバンドも少ないですし、もしかしたら、昔HMを聞き始めた頃のような手探りで感動を探していく感覚が、本バンドによってまた再び感じることができるかも知れません。

My Favorite Song : Rose of Sharyn

Similar Artists:Trivium,Queensryche,Megadeth

2007-01-14

Slippery When Wet - Bon Jovi

Slippery When Wet

1986年リリースの3rdアルバムです。
アメリカはニュージャージーの…って言ってる方が恥ずかしくなりますが。
でも大丈夫。もうこの世の中、若い人は意外とBon Jovi知らなかったりするんです。びっくりしますよね。未だ現役のバンドだっていうのに。
しかし、もうこのアルバムも20年以上前になるんですね…。

全世界で当時1800万枚、現在の累計では3000万枚以上を売ったといわれるモンスターアルバムであり、Bon Joviの、もしくは80年代HRの代名詞的なアルバムと言えるでしょう。もしあなたがこのアルバムを聴いたことがなくて、そしてあなたがHRというジャンルに少しでも興味があるのなら、本アルバムは避けては通れない道であり、是非聴いてみることをお勧めします。大丈夫、今聴いてもまったく古くささを感じさせませんから。

私が洋楽を聴き出した際HRというジャンルに興味を持たせたのは、Heart,Europe,Whitesnake,そしてこのBon Joviでした。
いや、HRという意味では違うかも知れません。というのは、あの当時はこのアルバムはHRというジャンルではなく、Bon Joviというジャンルでくくっていたように思うからです。曲とか詞とかそんなレベルではなく、2.You Give Love A Bad Name、3.Livin' on a Prayerでは聴いた瞬間その音像全体に衝撃を受けた記憶があります。何だこの曲は、と。

今思い返してみると、このアルバムが売れた最大の理由とは、ポップスのメロディの強さを、当時ブルージー色が強かったHRの中にいろんな形で吸収し消化できた最初のアルバムということではないかと思います。また、楽曲から受ける印象が「健全さ」で占められていたことも大きいでしょう。ドラッグもアルコールの臭いもしない、曲は明るいがただのパーティバンドでは絶対済まされない印象に残るメロディの多彩さは、当時唯一無二の存在でしたし大きな魅力でした。

でもね、このアルバムはつまるところジャンル云々の話ではなくて、これはBon Jovi以外の何者でもないアルバムなんですよ。やっぱり。

当時は音楽以外でもいろいろと話題がありまして、John Bon Joviがセックス・シンボルとしてNo.1を獲得したなんてのもありました。
アルバムとしては実は個人的には次の4th,New Jerseyの方が完成度が高いと思うのですが、私を洋楽の道に引っ張ってくれた思い入れの深いアルバムということで。

ところで、今でもカラオケでたまに3.Livin' on a Prayerを歌います。この曲は洋楽を普段聴かない人や、曲自体知らない人が聴いても盛り上がるんですよね。やはりそれだけ曲に普遍的な魅力が宿っているということなんでしょう。キーきついけど。

My Favorite Song : Livin' on a Prayer

Similar Artists: Lover Boy, Firehouse, Slaughter,Danger Danger

2007-01-13

A Death-Grip on Yesterday - Atreyu

A Death Grip on Yesterday

2006年リリースの3rdアルバム。
アメリカはオレンジカウンティのメタルコアバンドです。
オレンジカウンティってLA郊外って感じなのかな?
日本盤は今のところリリースされていないようです。
むーもったいない。出ていればもっと話題になったのではないでしょうか?

日本盤が出ていれば、2006年で言えば少なくともKillswitch EngageやUnearthと同じかそれ以上の評価は受けていたと思います。
初めて聴いた時の印象は「BFMV?」。それぐらい一聴すると近い音を出してます。
ただしこのバンドの特徴でもあり個人的ツボなのが、ギターリフの癖があるメロディ。重くて妙に叙情的なこれが耳について離れなくて、たまにふと気づかずに口ずさんでいたりするんですよ。人によってはかなり中毒性が高いです。
昔のトリオ編成時のRageとか、初期In Flamesとかがギター目当てで好きな人なんか、かなり気に入るんじゃないでしょうか?

近年乱立しているメタルコア勢の中では、確固たる特徴を確立したバンドと言えると思います。惜しむらくは、クリーンボイス部分の弱さ。あの部分にもっと説得力がつけば、更にレベルアップできると思うんですが(女性ボーカルとかやりそうだな…)、まぁそれはこれからのお楽しみにしておきます。
あとこのアルバム30分強しかありません。まぁ唯一ハードコアっぽい要素ということで。

このバンドは2ndでかなり化けたんですが、その時に芽生えた独自のカラーを更にメロディ側に推し進めた好盤だと思います。特に輸入盤しかないからって買い控えしている方は、もったいないことしてますよー。

My Favorite Song : We Stand Up

Similar Artists : Bullet For My Valentine, Unearth, Rage, In Flames

2007-01-12

Pride - White Lion

Pride


1987年リリースの2ndアルバム。
アメリカはNY出身のHRバンドです。

このバンドの特徴は、Voの煮え切らないハスキーボイスと、センスあるギターワーク。
ギターの音自体はVan Halenに似てるんだけど、エディーに比べれば演奏はシンプル。ただリフはストレートで歯切れ良くて格好いいし、ソロも流れるようなメロディーが印象深く耳に残るんですよね。
デンマーク出身Voの声質は賛否分かれるところだと思いますが、よく聴くと結構セクシーで曲に実にフィットする声質で、私は全然嫌いじゃありません。
(ライブは酷かったみたいですけどね。何かで私もライブの映像を見た記憶があるのですが、その時も正直微妙でした…)

アメリカンHRの脳天気さと、アメリカのバンドとは思えない哀愁感が同居しつつ、ハスキーボイスによってより魅力的に完成されるといった案配です。
本アルバムはそんな彼らの中でもメロディーワークが抜群によく、ハードな曲もバラードも全て捨て曲なしの正に名盤となっております。
少なくともHRが好きだという方は、このアルバムは経験しておくべきでしょう。
古き良きアメリカン・メロディアス・HRの完成形の一つと言えます。

当時見ていたMTVでは10.When the Children Cryがかなり長い間流れていたように記憶しています。
まわりがみんなWhitesnake聴いていた中、私一人だけこいつらを夢中で聴いていたのを思い出しました。
懐かしいですね。もう20年近く前ですか…。

思えばこの頃って、Bon Joviなんかもそうですが、アルバムがリリースされてから一番最初に注目されて売れた場所って日本だったっていうバンドがいくつか現れだした頃でしたね。
日本から火がついて世界規模で売れるという流れが一部で形成されたり、あの頃の日本はメロディに対して耳が肥えていたというか先見の明があったというか、独特のファン層が形成されていたのがある種の誇りだった様にも記憶しています。

My Favorite Song : Tell Me

Similar Artists: Van Halen,Bon Jovi,Heart

2007-01-11

One Way Home - The Hooters

One Way Home

1987年リリースの3rdアルバムです。
日本盤では2枚目扱いになると思います。
アメリカはフィラデルフィアのロックバンド。
元々はHootersだったのが、あとからTheをつけたのかな?
違ってたらすいません。

今じゃあお色気レストランの方が有名ですが、
彼らも一時期は東京ドームでライブできるほど知名度高かったんですよ。
シングル丸ごと日本語で歌うほど、日本びいきだったみたいですし。

本バンドの特徴はその風土臭溢れるテイストのロック。
妙にこなれた泥臭さと言うか、アメリカの民族音楽を取り入れて、
フォークやレゲエ、スカの風味も織り交ぜた
トラディショナルでおおらかなロックを聴かせてくれます。
しかし曲自体が決して古くさいわけではなく、
このバンド独自の楽曲として成り立っているのがすごいところ。
またこれが中毒性高いんですよ。嫌んなっちゃうぐらい。
私が洋楽にのめり込む要因となったバンドの1つです。

また特徴として、演奏にいろんな楽器を使うことが挙げられます。
バンドメンバーが楽器コレクターということもあり、
マンドリンやスライドギター、アコーディオンやメロディカなど、
本当に多彩な音色で楽しませてくれるバンドです。

本アルバムは2ndまでに培ってきたそういった要素が大きく開花し、
当時出すシングルがそれぞれスマッシュヒットを連発した名盤です。
MTVにもよく流されていましたので、見たことある方も多いかと。
『古いのに新しくて、懐かしいのにオリジナル』という
変わった曲風が、独自のファン層を構築していた様に思います。

ずっと解散してたと思っていたのですが、聞くところによると
ここ最近は、一夜だけ再結成してみたり、
テレビでCyndi Lauperと一緒に演奏してみたり、
なんか活動が微妙に活発になっているとのことで、
もしかしたらニューアルバムなんかも…?ちょっと期待です。

そんな訳で、似ているバンドなんているのか?難しいです。
…強いて言えば泥臭さでMidnight Oilとか?うーんちょっと違う?
あとはアメリカンロックとして、TOTOとか、王道としてU2ですかね。
この辺好きな人は聞いてみても良いと思います。
あと意外と、HR/HM好きでこのバンド好きな人も多いみたいです。
私もその一人ですけど。

My Favorite Song : Satellite

Similar Artists : Midnight Oil,U2,Cyndi Lauper

2007-01-10

City of Evil - Avenged Sevenfold

City of Evil

2005年リリースの3rdアルバム。
アメリカはカリフォルニアのメタルコアバンドです。
日本盤は2006年にリリースされています。

2006年で一番よく聴いたアルバムです。
初めて聴いたときに受けた印象は、
『The Offspiring + Guns N' Roses 』でした。
憂いのある良質メロディに、少し乾いた音質のボーカル、
それにアメリカの陽気な風味が曲にミックスされていて、
独特の雰囲気を醸し出す楽曲群が勢いよく押し寄せてきます。
とりあえず好きな音楽全部鍋に放り込んだらいいダシが出ましたみたいな。

こういう一風変わった特徴を持つバンドには弱いです。
聴き始めはやはり元々がハードコア畑ということもあるのか、
ドラムのスネア音が(HMに慣れた耳には)若干軽く聞こえたりしたのですが、
アルバムを通しての曲調は結構バラエティに富んでおり、
メタル魂炸裂ギターリフやツインリード、変わった感じのメロディラインを
ふらふらするギターソロなんかもあり、何回聴いても飽きが来ません。
前半の5曲は曲構成といいサビメロといい非常にアツくなれます。
難点があるとすれば、ダサダサのアルバムジャケットぐらいですかねぇ。

このバンドだけ、っていう特徴を持つのは非常に強みになると思います。
おかげさまで、これに似たバンドってあまり無いんですよね。
強いていえば、独自の世界観を持つメタルコアってことで、
AtreyuとかTriviumなどそのあたりでしょうか。
Blink-182みたいなメロコア好きにもお勧めです。
Iron MaidenやDragonforceといった正統派やメロスピもいけるかと。
…音がごちゃまぜなんで逆にいろんな人に勧められますね。

このアルバムによりメタルコア界隈で一歩抜きん出た存在になったのは
間違いないでしょう。次のアルバムも非常に楽しみです。

My Favorite Song : Trashed And Scattered

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